カスハラ対策から考える、誰もが暮らしやすい社会(2)

【第2回】カスハラ対応を一人で抱えてしまう店長・管理職へ

カスハラ対策が企業に求められるようになり、顧客対応の現場では、従業員を守るための仕組みづくりが重要になっています。

しかし、仕組みを整えるだけでは解決できない問題もあります。

今回は、顧客と従業員の間に立つ店長や管理職の心に目を向けてみましょう。

顧客もスタッフも守りたい。その板挟み

お客様から厳しい苦情が寄せられたとき、店長や管理職は難しい判断を迫られます。

スタッフを守りたい。でも、お客様の言い分にも耳を傾けなければならない。売上や店舗の評判も気になりますし、オーナーや上司への報告も必要になります。

「スタッフに無理をさせたくない」
「お客様との関係も悪くしたくない」

と考えるほど、どう対応すればよいのか分からなくなることもあるでしょう。

双方の事情を理解しようとすることは大切です。

しかし、すべての人を満足させる答えが、いつも見つかるとは限りません。

責任を持つことと、一人で背負うことは違う

責任ある立場にいると、「自分が何とかしなければ」と考えがちです。

周囲に心配をかけたくない、頼りないと思われたくない。

そんな思いから、自分の負担を口に出せない人もいるのではないでしょうか。

しかし、顧客対応の問題を一人の判断や努力だけで解決しようとすると、心身の負担が大きくなってしまいます。

大切なのは、自分が引き受けるべき責任と、組織として対応すべき問題を分けて考えることです。

対応方針を上司や経営者と共有したり、スタッフと対応方法を確認したりすることも、責任ある行動の一つです。

「責任を持つこと」は、「すべてを一人で背負うこと」ではありません。

支える立場の人にも、支えが必要です

スタッフの様子を気にかける一方で、自分自身の疲れには気づきにくいことがあります。

いつも判断を求められる。
弱音を吐ける相手がいない。
仕事が終わっても対応のことが頭から離れない。

そんな状態が続いているなら、自分の心にも目を向けてみてください。

誰かを支えるためには、自分自身の状態を把握することも大切です。

信頼できる人に話す。
対応を振り返る時間を取る。
必要に応じて社内外の相談先を利用する。

そうした行動は、決して責任から逃げることではありません。

顧客とスタッフの双方を尊重するためにも、まずは自分一人で抱え込んでいないか、立ち止まって考えてみませんか。

次回は、顧客の立場から、正当な苦情を伝えることと、相手を傷つける言動との違いについて考えます。

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